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家族信託の受託者の権限と仕事(任務)とは?
家族信託では、受託者が信託財産を管理・運用・処分します。
しかし、「受託者は何でも自由にできるのですか?」という質問を受けることが少なくありません。
答えは「いいえ」です。
受託者には一定の権限がありますが、その権限は信託の目的を実現するために認められたものであり、自分のためではなく受益者の利益のために行使しなければなりません。
今回は、受託者の権限と具体的な仕事についてみていきましょう。
1.受託者の役割
受託者は、信託財産の「名義人」であると同時に「管理者」です。
例えば、自宅を信託した場合、登記名義は受託者になります。
しかし、それは受託者自身の財産になったという意味ではありません。
受託者は、契約で定められた目的に従って財産を管理・運用する立場にあります。
2.受託者の主な権限
受託者には、信託契約で定められた範囲内で次のような権限があります。
(1)財産を管理する権限
最も基本となる仕事です。例えば、
- 預金口座の管理
- 固定資産税の支払い
- 建物の修繕
- 火災保険の契約
- 賃貸借契約の管理
などを行います。
(2)財産を運用する権限
信託財産を維持し、価値を高めるための運用も重要な仕事です。例えば、
- 空室募集
- 賃料改定
- 修繕計画
- 定期預金への預け替え
- 資金管理
などがあります。
(3)財産を処分する権限
信託契約で認められている場合には、
- 不動産の売却
- 建物の建替え
- 土地の買換え
- 大規模修繕
なども行うことができます。ただし、これらは契約で認められている範囲内で行う必要があります。
受託者の日常業務
実際の仕事は、会社の経営者や不動産オーナーの管理業務に近いものがあります。
例えば、
- 信託口口座の管理
- 家賃の入金確認
- 必要経費の支払い
- 修繕業者との打ち合わせ
- 管理会社との連絡
- 税金の納付
- 会計記録の作成
- 受益者への収支などの報告
など、多岐にわたります。
家族だからといって自由に使えるわけではありません
家族信託では、親子間で受託者になるケースが多く見られます。
しかし、
「親のお金だから自由に使ってよい」
ということではありません。
例えば、
- 自分の生活費に使う
- 自分名義の口座へ移す
- 家族への贈与に使う
といった行為は、信託契約に反する可能性があります。
受託者は、あくまで受益者の利益のために権限を行使しなければなりません。
受託者は「経営者」のような存在
受託者は単なる財産の保管係ではありません。
信託財産を守り、必要に応じて活用し、次の世代へ円滑に引き継ぐという重要な役割を担っています。
そのためには、法律だけでなく、不動産や税務、資産管理など幅広い知識が求められる場面もあります。
まとめ
受託者には、管理・運用・処分を行うための権限があります。
しかし、その権限は自由なものではなく、信託契約の目的を実現するために与えられたものです。
家族信託を成功させるためには、受託者となる方が自分の役割を十分に理解し、適切に財産を管理していくことが大切です。
当事務所では、家族信託契約の作成だけでなく、受託者就任後の実務についても分かりやすくサポートしております。お気軽にご相談ください。