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家族信託における利益相反の注意点について解説
典型例を1つ。信託財産に属する土地上に、受託者が固有財産として建物(受託者の自宅)を建築したいと思います。委託者と受託者は親子なので、問題ないと思われるケースです。
家族であっても、信託財産である土地の上に受託者が固有財産として建物を建てることは利益相反行為ですので、適切に対応することが必要です。委託者と受託者が親子であっても、信託法上では親子だからという特別扱いはありません。受託者が委託者から無償で貸与を受けるのは、経済的理由なく利益を受けていることになります。
信託法では、受託者が利益相反行為を行うことを制限する定めを置いています。しかるべき地代を支払うとすれば別として、そうでないとすれば、受託者は自らの利益のために委託者から任された財産を使っていることになり、利益相反の問題が生じてしまいます。
一方で信託法において受託者による利益相反行為の容認条項を置いており、たとえば信託契約の中に「受託者が信託された不動産の上に、受託者自身の建物を建てることを容認する」というような定めを置くことにより利益相反の問題を回避することができるようになっていることから、このような対応をしっかりと検討する必要があります。
ポイントは多くのことを容認するのではなく、絞った項目にすることです。そしてそれを明記することです。家族信託では、委託者の財産を受託者に信託するのは、委託者(兼受益者)のために財産管理等を行ってもらうことに主眼があり、ただ受託者の利益のみのために信託をしているとすれば、信託自体が不成立または無効とされるリスクが否定できません。
親子の場合には問題にならないことでも、契約する立場となりますとこのような点に注意しながら家族信託の設定をする必要があります。このような点などは注意しなければいけませんが、全体では自由度の高いものとなっています。是非ご活用をご検討されてはいかがでしょうか。
家族信託の利用数の統計は全体では取れないものですが、不動産の信託登記のデータは法務局が公表しています。それによるとここ数年は毎年、前年比1.5倍の伸びとなっています。
当事務所でも家族信託のお問い合わせ、ご相談が増えています。
家族信託を効果的に活用するためには、対象とすべき財産を見極め、必要十分な体制をご案内し、将来リスクを考慮した提案が必要です。
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