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おひとりさまに遺言は必要?独身で親や兄弟がいない場合に気をつけるべきこと
現在、おひとりさま世帯は年々増えており、「自分が亡くなったら財産はどうなるのだろう」「頼れる家族がいないので心配」というご相談も珍しくありません。
相続人がいない場合こそ、遺産の行き先を決める人がおらず、遺産整理に時間や費用がかかることがあります。また、生前お世話になった友人や内縁の配偶者に財産を残したいと思っても、遺言書がなければ希望どおりにならないことも少なくありません。
今回は、独身で親や兄弟がおらず、おひとりさまで生活されている方が知っておきたい遺言のポイントについて解説します。
おひとりさまの遺産はどうなるのか
おひとりさまが亡くなった場合でも、まずは法定相続人がいるかどうかを確認します。
例えば、
- 子ども
- 両親
- 祖父母
- 兄弟姉妹
- 兄弟姉妹の代襲相続人(甥・姪)
などが相続人になる可能性があります。
一方で、親族が誰もいない場合には、相続人不存在となります。この場合、すぐに財産が国のものになるわけではありません。まず家庭裁判所で相続財産清算人が選任され、債務の支払いや相続人の捜索などの手続きが行われます。その後、一定の要件を満たす人がいれば特別縁故者として財産の分与を受けられる可能性があります。
それでも引き取り手がいない財産について、最終的に国庫へ帰属することになります。
つまり、「遺言がなければ国へ行く」というよりも、その前に長期間にわたる法的手続きが必要になる点を知っておくことが大切です。
おひとりさまが遺言書を作成するべき理由
おひとりさまこそ、遺言書によってご自身の意思を残す意味があります。
大切な人へ財産を残せる
遺言書があれば、
- 長年支えてくれた友人
- 内縁の配偶者
- 介護をしてくれた人
- お世話になった親族
など、法定相続人ではない方にも財産を遺贈できます。遺言がなければ、このような方へ財産を渡すことは原則としてできません。
支援したい団体へ寄付できる
遺言では、
- 動物保護団体
- 福祉法人
- 教育機関
- 地域活動を行うNPO法人
などへの寄付も可能です。ご自身の財産を社会貢献に役立てたいという思いを形にできる点も、遺言の大きな役割です。
相続手続きを円滑に進められる
相続人がいない場合でも、預貯金の解約や不動産の処分など、多くの手続きが必要になります。遺言書で遺言執行者を指定しておけば、財産の名義変更や遺贈手続きなどをスムーズに進めやすくなります。特に、おひとりさまの場合は手続きを行う親族がいないケースも多いため、信頼できる人や専門家を遺言執行者として指定しておくことは大きな安心につながります。
おひとりさまが遺言を書く際の注意点
遺留分に配慮する
親や子など遺留分を有する相続人がいる場合には、遺留分を侵害する内容の遺言は、後にトラブルになる可能性があります。兄弟姉妹には遺留分はありませんが、子や親が相続人となる場合には注意が必要です。遺留分を踏まえた内容にすることで、相続開始後の紛争を防ぎやすくなります。
公正証書遺言を検討する
自筆証書遺言は費用を抑えて作成できますが、
- 法律上の要件を満たしていない
- 内容が不明確
- 紛失や改ざんのおそれ
などのリスクがあります。
一方、公正証書遺言であれば、公証人が作成し原本を保管するため、無効になる可能性が低く、安心して残すことができます。
特に、おひとりさまで確実に意思を実現したい場合には、公正証書遺言をおすすめします。
遺言書だけでは対応できないこともある
遺言書をお書きになっても、例えばおひとりさまには次のような希望を持つ方も少なくありません。
- 葬儀や納骨を希望どおりにしてほしい
- ペットの世話をお願いしたい
- 賃貸住宅の退去や自宅の片付けを依頼したい
- SNSアカウントやデジタル資産を整理してほしい
- 生前に認知症になってしまったときの対策をしておきたい
これらは、遺言だけでは十分に実現できない場合があります。
そのため、
- 死後の事務を任せる「死後事務委任契約」
- 認知症に備える「任意後見契約」
- 認知症時の財産管理に備える「家族信託」
などを組み合わせて準備することで、より安心につながります。
まとめ
おひとりさまで相続人がいない場合、「自分には相続は関係ない」と考えがちですが、実際にはそうではありません。遺言書がなければ、相続財産清算人の選任などの手続きを経た後、最終的には財産が国庫へ帰属する可能性があります。
一方、遺言書を作成しておけば、大切な友人や内縁の配偶者、お世話になった方への遺贈や、社会貢献団体への寄付など、ご自身の意思を反映した財産承継が可能になります。また、遺言執行者を指定することで、相続手続きも円滑に進めやすくなります。
さらに、認知症への備えや死後の各種手続きまで見据えるのであれば、死後事務委任契約や任意後見契約、家族信託などを組み合わせて準備することも有効です。ご自身の状況に合わせて総合的に備えることで、より安心した将来につながるでしょう。
若尾行政書士事務所では、公正証書遺言の作成支援はもちろん、死後事務委任契約、任意後見契約、家族信託を含めた終活・相続対策を総合的にサポートしております。おひとりさまの将来に不安をお持ちの方は、どうぞお気軽にご相談ください。